(TV)伝えることだけがニュースじゃなし、ニュースだけが伝えることじゃなし

  • 毎朝の習慣で国際ニュースを見ているが(今朝はCNN,France2,BBC,ARD)、日本国内のニュースとの最大の違いは、毎日のように「戦争」と「誘拐」が報じられることである。欧米諸国の多くがイラクやアフガン、イスラエルなどの紛争地に軍事的に関与している関係もあるのだが、もう毎日のように誰々というアメリカ兵が死んだ、イギリス兵が死んだ、ドイツ人が誘拐された、と報道されている。
  • 「日本は平和だ」と言う人もいるが、これは単に日本の報道がこれらの「脅威」に対して見ないふりをしているだけではないのだろうか。日本と比較するといつも「伝えることだけがニュースだと思っていると危ないなぁ」と思う。
  • 一方、海外ニュースでも何か重要なニュースが抜けているのでは、と思う瞬間がある。例えばCNNで「昨日何人の米兵が殺された」と報じ、彼らのプロフィールを紹介し、時には彼らがいかに「まったく殺されるべきでない、未来を嘱望された若者だったか」を紹介する。しかし、何らかの交戦があった以上、テロ組織に加わった若者も死んでいるだろうし、その交戦に巻き込まれた一般市民(その中には女性や子ども、お年寄りもいるだろう)も死んでいる「はず」なのだが、それは報じられない。一般市民の死亡に関するニュースは、テロ組織が一般市民を巻き込んだテロを実行した場合のみ報道される。これは日本でも同じである。明らかに、ある側面の情報が閉ざされ、ある側面の情報が開放・強調されている。これは「情報操作」である。
  • 「ニュース」だけを見て、それが我が国民へ伝えるべき内容を網羅している、などと信用するのは大きな過ちの要因になりうる。CNNの報道を見ていてそう思った。
  • (追伸)首相がお菓子片を投げつけられ、別の場所では選挙区候補者の運動員を団扇型のビラで叩いたそうだ。いずれも大々的なニュースになっていた。それはニュースじゃない。