(Urban Liner)大阪らしいのか、何なのか

  • 昨日の日記で書き忘れた話を、今思い出したのでここで書いておく。今週の三重県への通勤は、ノーパソ持参の論文生活ゆえ、自腹で特急券を買って往復した。
  • まず往路の特急。朝10時半、難波発名古屋行きのアーバンライナー。平日のこの時間、一人で乗る場合、二人ずつのシートの隣に人が座っていることはまず無い。つまり、通路をはさんで四つのイスに二人ずつ座っている状態。平日の午前中などは、大半がスーツ姿の男性で占められる。で、私もその一人だ。
  • 私は発車後、一心不乱に論文のことをやっていたのだが、通路の向こうのシートでは、20代のサラリーマンの男性が、マンガ雑誌を読んでいる様子だった。たいていは出張先に向かう風のサラリーマンが多いので、向こうで打ち合わせか何かがあるのか、資料を熱心に目を通したり、日経を読んでいたりするものだが、この若いのはお気楽なもんだ、と思った。
  • ふと、何かの拍子でそのマンガの内容が目に入った。その若いサラリーマンが熟読していたのは何と、いわゆるエロマンガである。しかも二箇所ホチキスで留めてあるタイプの雑誌だ。表紙にちらっと「人妻」の文字が見えた。こいつは朝から何を読んでるんだと思った。
  • そして、帰路。通路の向かい側の女性(60代?)は、私が乗り込んだ時からずっと、二人分のシートをベッド代わりにして横になっている。そもそも、女性が一人で近鉄特急に乗っているのは珍しい。荷物は、伊勢の観光地でお土産を買った折りにもらえるような大きな紙袋が二つ。うち一つには「伊勢市」の文字が見えた。その中に荷物が満杯。そしてさらに風呂敷に包んだ衣類?が一包み。とにかくその女性は寝っぱなしだった。ただ、もそもそ動き続けていたので、起きているようだった。
  • 鶴橋に着こうとした時にむくっと、その女性は起きた。そしてトイレに行った。トイレから戻ってきて、自分の座席に座った女性は、おもむろに日よけのカーテンで手を拭き始めた。その女性がしっかり手を拭き終わった時、特急は難波駅に着いた。大きな紙袋を抱えたまま、その女性は難波の雑踏の中へ消えた。