(3/2 World News)

  • (BBC)不妊治療の国家医療制度に「地域間格差」がある実態を保守党議員が調査。不妊治療の許可年齢を23〜39歳と定められていながら、各地の医師が個別の判断でより厳しくしていることが判明。医療トラスト側は必要な予算が不足しているため仕方がないと説明。
  • (ZDF)Stellenabbau バイエル社シェリング社を買収して半年。大量のリストラを計画。全世界で6000人、ドイツでも1500人の人員削減を予定。2日、1000人削減が予定されているベルリンの本社前で従業員がデモ行進。
  • (ZDF)Fruehkindliche Bildung EU各国の教育担当相は就学前児童の早期教育推進で一致。就学前は「教育よりも養育」だったドイツでは大きな変化。その重点は言語教育。シャバーン教育相(Annette Schavan, CDU, Bundesbildungsministerin)も「今後数年間、教育改革に重点を置く」と言明。ただ、質の高い教師確保の予算は決まっていない。
  • (ZDF)フォン・デン・ライエン教育相の「託児所三倍化」発言(Verdreifachung der Krippenplaetze in den naechsten Jahren)について世論調査の結果。richtig 71%, nicht richtig 27%.どの政党の支持者も賛成が反対を上回る。三分の一弱の人しか、「三歳以下の家庭外教育は子供に悪影響を及ぼす」と考えていないことが分かった。
  • (ZDF)同時に調査した政党支持率調査(Projektion: Wenn am naechsten Sonntag wirklich Bundestagswahl waere...) CDU/CSU 37%(±0), SPD 31%(+1), FDP 10%(±0), Linke.PDS 8%(±0), Gruene 9%(-1), Andere 5%(±0).
  • (ZDF)Kombilohn fuer junge Arbeitslose 大連立与党は青年失業者の新しい雇用対策で合意。六ヶ月以上失業していた25歳以下の若者を雇用した場合、税込み賃金の半分まで国が補助を出す。最高1000ユーロ、最長1年。
  • (ZDF)Strafbarkeit von Inzest 近親相姦(Beischlaf zwischen Verwandten)を禁じた連邦刑法173条が正当かどうかについて連邦憲法裁が審議開始ドイツ国内に住むある兄妹パトリックさんとズザンナさんの間には現在、4人の子どもが生まれている。うち二人は障害を持っている。二人は小さい頃から遠く離ればなれに暮らしてきて、知り合った時点ではお互い兄妹であることを知らなかった。兄は173条違反で2年間服役したが、新しい子供が生まれたため、再び服役させられるのを防止したいと、弁護士が173条が合憲かどうかについて申し立てた。連邦憲法裁はそれを受理。ドイツで近親相姦の禁止は憲法に反すること考えている人は増えている。
  • 伊藤の感想(ドイツでは同性愛と同様、「刑法で禁じたりすることではない」という理解が増えているのだろうか。しかし、現在問題になっている親族内の性暴力抑止のために近親相姦〔近親姦〕の禁止は現在も必要だという見方もありうる。夫婦を除く親族内での性行為は同意か不同意かの立証がしにくい以上、親子間や兄妹姉妹間の性交自体を法で禁じておく必要もあると言える。ただその場合でも、禁じる対象は「近親者による性暴力」であって、「近親相姦自体」である必要はない、という反論もあるだろう。もし近親相姦が法律で禁じられなくなったとしても、家族内性交や出産数が増えるとは考えにくい。その意味ではタブーと言うよりも半ば「社会的常識」になりつつある。仮に近親姦や近親婚を認めたとしても、それは通常の婚姻と同様、結婚可能年齢同士の「相思相愛」だった場合に限られるだろう。「近親婚は障害児が生まれやすい」という心配をする人もいるだろうが、これも「障害を持つ子が生まれやすいから禁止」という根拠では、障害者の人権をはなはだ無視した話である。そう考えていくと「ディベート」のテーマになりそうな話である。中学や高校では絶対できないテーマだろうけど。多民族化が進み、キリスト教的な宗教的規範が崩壊しつつあるドイツにおいて、連邦憲法裁はどう判断するのだろうか。)