(7/15)献本御礼

  • これまで贈っていただいた新著のうち、まだここでご紹介していなかった新刊書について、(ネット上でも)御礼を申し上げたいと思う。
  • まずは、少し前になるが阪南大学の牧野広義先生から『現代倫理と民主主義』を贈って頂いた。感謝申し上げたい。
    現代倫理と民主主義

    現代倫理と民主主義

  • 本の帯にはこうある。「ロールズ、セン、ハーバーマスらの現代倫理原則をめぐる議論と、日本国憲法の民主主義原理を再検討し、現代社会が直面する環境倫理生命倫理・企業倫理問題の探求を通して新自由主義の暴走をいかに克服するかを論じる」。「自己決定」「自己責任」を明確に批判する中で現代倫理を再建したいという思いは、私の思いでもある。
  • 関西大学木岡伸夫先生(私の博士課程時代の指導教授)から単著『風景の論理 沈黙から語りへ』を贈って頂いた。この場を借りて改めて御礼を申し上げたい。
    風景の論理―沈黙から語りへ

    風景の論理―沈黙から語りへ

  • 帯には「時と場所によって異なる〈世界〉の意味は、〈風景〉に表れる。過去の哲学が見落としてきた風景経験の多元性を〈形の論理〉によって究明し、新たな風土学体系の構築へと歩み出す」と書かれている。

しかし私にとって、環境倫理学に対する最大の不信は、本来そこに環境の意味が表現されているはずの「風景」が不問に付されているということにあった。環境の危機は、客観的意味での生態学的危機よりも以前に、現象としての風景経験に現れるはずではないか。生きられる環境の破壊と言うべき風景の変貌には眼を閉ざし、「世代間の公平」や「自然の権利」といった目新しい主題を導入することに熱心な研究動向に、私は白々しい他人事という印象を受け、やがてそうした不満とともに応用倫理学の領域から遠ざかることとなった。そうした私にとって、不満の受け皿となったのが、オギュスタン・ベルクの提唱する「風土学」(mesologie)である。 〜「はじめに」より

  • 前期の期間中はなかなか精読する時間が取れなかったが、両著とも夏期休暇中に精読したい。今から楽しみである。