(9/3)研究会、発表会

  • 土曜日はヘーゲル論理学研究会に参加。本町。第二部、白井浩子先生(岡山大学)による研究報告は知的な「面白さ」抜群だった。ネオ・ダーウィニズムを批判しつつ、弁証法的視点から生物進化の本質について新しい視野を開いておられる。「弱肉強食」論の持つ事実誤認は「エネルギー余剰」という逆転の発想で一気に突破できる、というのはまさに目からウロコ。一部をご紹介したいほどだが、不用意に引用して誤解を与えてもいけないので、いずれまとまってどこかで書いておきたい。なお、研究会ではこのテーマで翌月も行う。
  • 日曜日は関大の哲学専攻院生研究発表会に参加。天六下車(正確には天八)。今の修士の院生はこういう場があって幸せだと、つくづく思った。今のうちに教授陣の「神の言葉」を文章に変えていくのですぞ。道はそこから開かれん。
  • 懇親会。私は当初欠席予定だったが、夜からの研究会が流れたため急遽参加。各院生とも指導教授を中心によくまとまっており、精神的な脱落者は少ないようだ。いいことだ。
  • 会場は天五のネパール料理店「カンティプール」。カレー味付けの料理も、ピリ辛の料理も、最後のナンとカレーも、いずれも美味。以前名古屋(池下)で食べたイエメンのカリーも良かったが、大阪にこんな良いカリーを食べさせてくれる店があるとは知らなかった。食事と談笑で盛り上がったため、ほとんど写真を撮れなかったが、こちらにアップしたので興味のある人は見て下さい。あ、これには木岡先生が写っていない!私としたことが不覚だった。まあ、お酒が入って舌好調の木岡先生はぜひ「生」で。
  • (追記)二次会。東梅田のショットバー。と、いっても同士・鷲原先生と二人連れ。彼はタフだ。二日間びっちり院生の発表を聞き、そのほとんどに質問を行い、時は手厳しく論理矛盾を突き、その身体で午前零時近くまで酒が飲めるのだから。二次会で彼が語った、院生の発表に関しての発言を具体的にはもちろん書かない。それにしても彼は院生達に優しい、というか愛がある。彼ら院生の到達状況を本気で憂いていた。その意味では私の方がよほど冷たい。彼が「9月はじめで彼らはあの状況で良いのか?」と問い、私が「いずれ自分たちがこのままではダメだということに気づくだろう」と答える。だからこそ二人きりでないと成立しない、二次会である。
  • 二人は三十代も後半になり、すっかり意識が「院生」から「講師」へ移行していることに気づいた。院生指導したての若手教員のような、怒りやいらだちの感覚を彼は吐露した。その点、私は傍観者だ。「よその院生」を見ている感覚に陥る。残念ながら、院生諸君の修士論文を良くするためのエネルギーを注ぐだけの余力が、今の私には無い。「じゃあ何故参加するのだ」と言われそうだが、私は応援者に徹している(つもり)である。時間外に彼らの論文草稿の「良い点」を称え、健闘を祈っている。
  • 帰り道。阪急の駅を降りる。空には下弦の月が光り輝いている。思わず口ずさんだ曲は「昔ママがまだ、若くて…」。院生達の苦労を、MOON、あなたは知っている。