(6/14-15)学会へ行く@東大本郷

赤門

  • 今日から学会出席のため東大へ。初めてEX-ICを利用した。値段は通常予約より数百円割引に過ぎないが、何より「事前に紙チケットを受け取っておかなくても良い」ということがこんなに便利なものだとは思わなかった。新大阪の乗り換えで「ICOCA」とEX-ICを二枚重ねてタッチすれば、車内検札時に見せるための「ご利用票」が出てくる。まったくトラブル無し。割引の関係で今や飛行機の方が安い場合もあるが、伊丹まで行くロス、羽田から都心へ行くロスを考えれば、この手軽さでの優位性は当分揺るがないだろう。
  • 新幹線に乗ってすぐ、車内テロップで「東北で強い地震」が速報された。いつもの「○○新聞ニュース」ではない。「乗り換え情報」としてだ。東北新幹線が動いていないために速報されていたのだ。名古屋を過ぎたあたりで、車掌の直の声で「仙台までは午後1時再開予定、仙台以北は再開メドたたず」の情報が流れた。その後の状況は、皆さんがご存じの通りだ。
  • 東京では「おそらく重宝するだろう」と予測し、PASMOを買う。Suicaが必要な場合は、ほとんどICOCAで代用できる。(品川駅でコインロッカーを利用した際「Suica利用可」だったのでICOCAで決済すると、荷物取り出し時は、そのICOCAをタッチするだけで自分の荷物を入れたロッカーを自動で開けてくれる。鍵が要らないのは楽で良い。)それ以外はPASMOで移動時間を早くした。東京で乗り物移動すると、とにかく運賃の安さに感心する。東京メトロの初乗りが160円というのは、京都や大阪の地下鉄に乗る者には信じがたい安さである。
  • 東大本郷キャンパスは「歴史的建造物」だらけで、ここを大学「としても」利用している、という表現が相応しい気がした。たとえば「赤門」を撮影していたら、何か京都御所の門を撮影しているような(皇宮警察が出てくるんじゃないか)気分になった。
  • 今回はヘーゲル学会なので、とにかくシンポにせよ討論にせよ、個人研究にせよ、テーマはヘーゲルである。自分の関心とバチバチ重なるところがある研究も聞くこともでき、大いに知的関心を呼び起こすものもあったが、中には「この人は何故このようなテーマに関心を持っているのか」というものもあった。人間の数だけ関心がある、という当然の命題を学会で再確認する。
  • 私は学部生の頃『精神現象学』を主要テーマにして研究をしていたが、今ではそれほどの大きな関心を持っているわけではない。大雑把に書いてしまうが、その理由は私がこの書をあくまで「ヘーゲル哲学誕生」時の見取り図として読み取ろうとしていたからであり、その目的が一定達成された今、関心が離れてしまったのは当然のことだったからである。ただ、今回の学会に出席して、この分野の研究が近年大きく再注目されていて、しかもまだ途上であることが分かった。言い方は悪いが「再利用」が徹底されるところにまでは達していない感を受けたし、それを遂行するだけの研究者の数が圧倒的に足りないという印象も受けた。むしろ哲学以外の研究者が数多く、この『精神現象学』は何かが摂取できると感じているようだ。
  • 懇親会での東大生協の料理は…コメントを控える。あえて例えるならば、ローカルな例えだが100周年記念会館「紫紺」のオードブル並みである。翌昼に食べた、正門前の喫茶店の日替わりランチ(ドリンク付き880円)のハンバーグの方が数倍美味しかった。食べ物と言えば、帰りの新幹線の車中で食べた「深川めし」は、相変わらず美味だった。ちなみに私が新幹線で東京へ行った際の帰りは、この「深川めし」を定番のように食べている。アナゴで飲むビール(黒ラベル)の味はまた格別。
  • 日曜の日程後、「東大前」から渋谷へ向かった。「ナンシー関 大ハンコ展」を見るためである。今回は、国立西洋で週末から始まっていた「コロー展」も見たかったし、色々希望があったのだが、どれも予定が合わず、結局このパルコだけは行こうと決めたのだった。あまり時間がなかったので短時間だけ、と思っていたら会場は入場待ちの行列。新幹線の時間も迫っており、やむなく断念。全国に巡回するということなので、関西に来るのを待つことにした。それにしても渋谷へ行ったのは、十年以上ぶりだと思う。全国の繁華街というのは、こうも似たようなものなのかという印象。大阪よりも規模は大きいが、それは程度問題であって、質の大きな違いは見られなかった。日曜の夕方、渋谷の交差点で私のような背広姿は皆無だ。あの街の日曜はスーツで行く場所ではないのだろう。休日に仕事をしている人も多いだろうに。私は普段、仕事帰りでも遊びでも全部を「キタ」で済ませるので、街ごとにカラーが決まっているというのは、何だか「めんどくさい」と思ってしまう。