「T−スクェア30thライブ」

  • 夜のBSライブを見る。ただ、ただ懐かしい。代表曲なのに演奏してくれなかった曲も多いが(まあ一時間半の番組なのでカットされたのかもしれないが)、ラストは「TRUTH」で締める、というのは予想通りの展開だった。メンバーの入れ替わりの激しいグループ(後に一時期「ユニット」になったはず)ながら、一部のメンバーは顔を出していなかったが、でも十数名のメンバーが同じ舞台に上がって演奏をしてくれる、というのは何とも嬉しい企画である。
  • 私が当時のグループ名である「ザ・スクェア」を聞き始めたのは、アルバム「ADVENTURES」('84)から。記憶が間違ってなければ、KBS京都で放送していた「Music Tomato JAPAN」で「TRAVELERS」のPVを見て、「なんて格好いいんだ!」と思ったのが最初だったと思う。早速「ADVENTURES」を購入し、そこから一気に過去のアルバムへとさかのぼって聞き始めた。中古で手に入るものはLPを買った。記憶が曖昧だが、「Lucky Summer Lady」「Midnight Lover」(ともに'78)「Make Me A Star」('79)「Rockoon」('80)「脚線美の誘惑」('82)は京都駅前に店があった黎紅堂で借り、「MAGIC」('81)「うち水にRainbow」('83)は中古LPを買ったはずである。初期のアルバムはメロディーラインがお洒落(と、子供心に思った)な曲が多く、日本のアイドル歌手の楽曲しか知らない私(80年代前半の日本は空前の「アイドルブーム」だった)には衝撃だった。特に「MASIC」の印象は強烈で、表題曲「MASIC」もさることながら、10曲目の「かわいいテクノ」でタモリ久米明の物真似で参加しており、当時のメンバーでありこの曲の作詞作曲者である久米大作の実父を真似ていることを知った。また、LP盤を回転させながら凝視していると、不思議な視覚現象が起こる、という遊びがあったのも、このアルバムだったと思う。「ADVENTURES」後では「Stars and the Moon」('84)は買ったはずだが、その後の 「R・E・S・O・R・T」「S・P・O・R・T・S」は買っていない。私は当時から、バブルな社会の雰囲気に乗っかったような曲(のように当時は聞こえた)が好きではなかったのだ。この二枚のアルバムは数年前にCDを借りて聞いたが、やはり印象はあまり変わらなかった。でも、その次の「TRUTH」('87)は当時、CDを買った(私がレコードを買わなくなったのは87年頃である)。これは私も当時の人気番組であったF1グランプリの熱心な視聴者だったからだ。ただ、その後「スクェア」から私の関心は遠ざかり、80年代を代表する二大フュージョン・グループのもう一方である「カシオペア」へと移行するのだが、それはまたいずれ。