(高速道路無料化)無料はタダでないことぐらい、みんな分かっている

  • 私はあまり行かないのだが、マクドの時間限定コーヒー無料サービスが好評だそうだ。この場合、その商品については無料だけれども、その商品分の費用を結局どこかで消費者が払っていることには変わりはないから、無料だからといってコーヒーの中身がコーヒーじゃなかったりはしない。
  • 某党のマニフェストに登場する「高速道路無料化」も、まさにその「無料」だ。通行料が無料なのは高速道路を利用する車両のドライバー(あるいは業者)であって、無料になった分は結局、何らかの形で国民の負担にならざるを得ない。問題は、国民がその負担をしてもなお国民にとってプラスなのかどうか、という点である。
  • 以前読んだ「日刊ゲンダイ」の記事に高速道路無料化のメリットが挙げられていた。無料化によるビジネスチャンスは多種多様で、すでに巨額となった債務をいずれ国民が負担しなければならないならば、無料化で高速道路を活性化させるべきだという。*1
  • 私が期待しているのは、高速道路の恒久無料化が引き金になって全国の交通や運輸のコスト全体が低減していくことである。特にJRの運賃(とにかく新幹線)は高すぎる。某党は同じマニフェスト最低賃金の全国一律900円に引き上げることをうたっているが、こちらの方はあまり実現に期待できないので、次の政権党には、まず家計支出を圧縮できるような政策をやってもらいたいものである。

*1:シンクタンク代表の山崎養世氏のコメントの要約)1.車が無料で出入りできるので、パーキングエリアやサービスエリアを商業地の拠点にできる(ショッピングモールなどの建設)、病院や住宅の建設も。利便性を高めるために高速道の出入り口を大幅に増設する。これらは観光業、建設業、小売業にとってビジネスチャンスになる、2.物流コストの削減「大手の運輸業者の年間の高速代は100億円規模だし、郵便局会社は400億〜500億円の高速コストがかかっています。およそ運送費の12%が高速代ですから、その分、物価が下がる。」、高速道路にトラックが走れば一般道の渋滞が緩和される、3.地域の経済格差の是正など。「高速道路を無料にすれば、大渋滞になるといいますが、渋滞するような道は無料にしなければすむ話です。だから、首都高や大阪の環状線はやらない。東名の込むエリアも後回しでしょう。できるところから無料にする。まずは北海道、九州。段階的に無料エリアを広げていく。その財源をどうするんだ、と言われますが、今の方式でもドライバーはガソリン税と高速料金の二重取りをされている。道路会社は借金を切り離しただけで、債務は60兆円も残っている。いずれ国民負担。だとしたら、無料化で経済を活性化させるべきなのです。」