(18日)『太陽』『文章世界』『改造』『新社会』

  • 午前はゆっくりしたが、午後から仕事関係をフル回転で動き回った。ラストは午後9時半。
  • そのラストは、関西大学図書館の書庫で「母性保護論争」周辺の資料をコピーしてきた。大正4〜8年頃の雑誌『太陽』『文章世界』(博文館)、『改造』改造社)などの現物を閲覧。(特に『太陽』は、明治28年から昭和3年まで、ほとんど欠けることなく所蔵されている。)また、『新社会』(平民大学)の復刻版も所蔵されており、当時の社会主義者堺利彦、山川均、高畠素之、片山潜らが執筆)の雑誌で、この「論争」がどう扱われたのかも分かった。青山(山川)菊栄だけでなく、日本での「男性の」社会主義者の受け止め方もある程度つかめた。
  • 残念ながら「論争」の頃の『婦人公論』は所蔵されていなかったが、でも『資料 母性保護論争』(香内信子編集・解説、ドメス出版)では抄録だった資料の全文を数多く読めたことは収穫だった。また当時、その号の他の論考がどのようなものであったかも分かった。
  • あとは書く時間さえ取れれば、小論(せめて一本)は書いてみたいと思った。何と言っても(誤解を恐れず言えば)論争の生々しさが「面白い」のだ。いくつもの「揚げ足取り」や「決めつけ」の背後に、それぞれ女性の論者の女性観を見ることができる。私は未だ、この論争についての「決定版」というべき論究に遭遇していない。恐らく私が見つけられていないだけなのだろうが、「フェミニズム思想史」の一齣としても、「女性による社会思想史」の一齣としても、大変興味深い。あとはどうやって、この発見を学生に伝えるか、である。