(27日)広島初日

  • 今日から一泊二日で相方と旅行である。行き先は広島と倉敷。理由は「一泊二日の距離」「二人ではまだ行っていない」「旬の食べ物」「交通の便が良い」の4点。私がJ-WESTカードを持っているので、「エクスプレスE予約」で指定席が割引で手に入ることも行き先選びに影響した。
  • 宿は、広島プリンスホテル宇品島のオーシャンビューホテルだが、この島は元々軍事施設だらけだったことも忘れてはならない。ネット予約用の格安プランだった。これが後に大変不愉快な思いをする原因となる。
  • そもそもこの宿には若干不満だった。ネット予約時(じゃらんnet利用)に質問記入欄に書いた質問(「禁煙室にしてほしい」ことや、「朝食バイキング」について)がいつまでたっても返信されない。返事が来たのは旅行の前日、つまり26日である。予約の最終確認メールのなかに書かれていた。私は何度、広島まで電話をしようと思ったことか。この時点でネット予約を受け付けている宿としては失格だと思うのだが、話はこれだけで終わらなかった。
  • 旅はまず、岡山駅で途中下車し、倉敷へ移動。大原美術館(年末最終日)へ出かけた。ここは私が4度目、相方も一度(修学旅行?)来ていた。以前に比べて展示がずいぶん変わっていた。現代美術のスペースが小さくなっていたのは、やはり不評だからだろうか。ただ、今は児島虎次郎記念館のほうで一部展示されていた。
  • 私は「具体」や「ハイレッド・センター」のメンバーの作品が好きで、よく一人でも見に行く。高松次郎の作品を旧国立国際美術館で見たときの衝撃や、中西夏之の作品を滋賀県立近代美術館で見たときの印象は、今でもよく覚えている。日本の美術館で日本の現代美術を思う存分見られる場所は、まだまだ少ない。
  • 夕方に広島へ移動。銀山町の「こだに」でカキのフルコースを食す。フルコース、と言っても値段は居酒屋で飲食する程度の料金で済む。それでも、久しぶりの豪勢な外食である。(食事の詳細については、「趣味日記」でアップ予定)
  • 宿の話に戻る。まず、到着したらいきなり、係の者(若い女性)がパウチされたチラシを提示してきた。「現在キャンペーン中でして、倍の料金を支払えば、これこれのサービスが受けられて大変お得ですが、いかがされますか?」…???彼女は何を言っているんだろう。こんな高級ホテルで、こんな下品なセールスがあっていいのだろうか。私と相方は顔を見合わせ、「あり得ない」。もしそういうサービスがあるなら、旅行の前日に送って来たメールにでも書いておけばいいではないか。
  • 所定の用紙に氏名と電話番号を記入したら、この女性係員はさらにたたみかける。「事前の預かり金をお願いします」、なんとその額は、宿泊料の1.3倍であった。「別に払わないわけではないけど、これは宿泊者全員にさせているのか?」「ネット予約の方のみ、事前預かり金をお願いしています」…なんという差別。これではネット予約者は「犯罪者まがい」という扱いである。どうしても必要だというならば、旅行の前日に送って来たメールにでも「お断り」を書いておけば、不満に思う客も減るだろう。
  • 最後に言ってきた言葉は、失礼を通り越して失笑だった。「お客様はツインでご予約されていますが、今ならダブルベッドのお部屋もご用意できますが、いかがされますか?」向こうはサービスのつもりかもしれないが、ダブルが必要なら最初からそのコースを頼んでいる。私も相方も、基本的にダブルベッドは熟睡を妨げるので苦手である。それに普通、ツインよりもダブルのほうが宿泊料金は安いだろう。彼らは料金は同じでより安い部屋を勧めているのだ。もう一度書く。ここは天下の、広島「プリンスホテル」である。入館時のフロントでこんなに印象を悪くさせるホテルは、生まれて初めてだった。
  • 怒りがこみ上げつつ、部屋に入る。部屋は16階。当然、窓ガラス全部に海が見え、風呂はユニットだったが洗面所が別にあり、テレビはサムスン製の液晶。NHK衛星とJ-SPORTS PLUS、BBC-WORLDなどが見られた。フロアごとに湯茶機と製氷機があり、自販機コーナーではビール4社すべての缶ビールがそろっていた。布団は羽毛、室温は細かく調整でき、翌朝にはドア前に新聞がささっていた。部屋については不満はほとんどなかった(風呂のシャワーが使いにくい、などの細かい不便さはあったが)。なのに、である。あのフロントの下品なセールスが印象をいっぺんに悪くした。