(2/1)映画の灯

  • 昼前からTOHOシネマズ高槻で映画鑑賞。久しぶりの劇場での映画である。もちろん、「映画の日」で1000円だから行こうと決意したのだ。
  • 二本見た。一本目は現在もロングラン上映をしている『武士の一分』。そしてアル・ゴア不都合な真実
  • 詳しくはいずれ時間のある時に「趣味日記」の方ででも書きたいのだが、とりあえずは(無茶だが)この二本のどちらが良かったかを書くと、断然『不都合』の方だった。
  • 私は『武士』を見ても、「日本人が昔持っていた美しい心」などは、まったく感じられなかった。昔も今も雇われる人は理不尽な目に遭わされ、身分の高い人間ほど欲望にまかせた犯罪に手を染める。昔と今の違いよりも共通点の方が感じられた。結末がいかにも観客の涙を誘うようにできていたのが残念だった。(妻役の壇れいが最後に惨殺されていても良かったのに、と思った私はろくでなしだ)
  • 三津五郎は歌舞伎役者ゆえか、いかにも下半身が「不道徳」そうに見えた。壇れいみたいなタイプも好きなんだろうな、と見ていて雑念が入ってくる。キムタクはいかにも「政治力」に乏しそうな下級武士がよく似合う。上級には見えない。脇を固める笹野高史、赤塚真人の芝居が光っていた。
  • 一方で道徳は道徳でも、地球温暖化対策は「モラルの問題」だと言い切ったアル・ゴアの講演ドキュメンタリーである『不都合』は、とにかく彼のスライドソフト(ゴア氏はマックユーザーだったが、ウィンドウズで言えば「パワーポイント」にあたるソフト)による演出も優れているし、何より彼のプレゼンテーション能力の高さに舌を巻いた。ちょっと憧れまで感じてしまった。資料を駆使し、動画とグラフを駆使し、見事な構成力である。本人が「1000回以上」やっているといっていた講演の蓄積によるものか。
  • 最初は(日頃の寝不足のせいもあって)ちょっと眠かったが、最後は激しく心を揺さぶられ、感動した。朝日新聞みたいだが「言葉の力」のすごさも実感した。変な言い方だがアメリカ人もまだ地球の未来をあきらめていない」と感じさせた。観客は意外とカップルが多く、男性よりも女性の方が熱心に鑑賞していたのが印象的だった。
  • 明日からは研究生活に戻る。2月にやるべき課題はほぼ決まっている。
  • ライスワーク(講師以外の雑労働)もあるけれども、それはそれ。日本中で「虚しさ」の労働が行われているのかと思うと、「労働は本来、人間諸能力を高めるものだ」という言説に説得力がないのも仕方無いか。