赤塚論へのメモ書き

  • 以前少し書いたが、「赤塚論」と「手塚論」がNHKで盛んに放送されている中、番組(「全身漫画家 真説・赤塚不二夫論」)を見終わって私が書いたメモが残っていたので、メモ紙を捨てる前に書き留めておく。
  • 伝説化の再生産が始まっている「手塚」と、伝説化が進行しつつある「赤塚」。今どちらが研究者的に面白いのかと言われたら、文句なしに赤塚。
  • しかし番組は「赤塚漫画の面白さ」と「赤塚個人の魅力」をあまりに同一化しすぎ。作品が面白いのは個人が面白いからだ、なんて子どもでも信じない。
  • 売れない少女漫画家でデビューした赤塚に、石森の進言によるギャグ路線への変更。しかし赤塚個人はどこまでギャグを「描きたかった」のだろうか。番組後半で母と子の「ホーム」を描きたかったのではという証言も出てくる(みなもと太郎?)。
  • 印象に残った言葉は「今日やむを得ないと、明日も明後日もやむを得なくなる」と赤塚が言ったとされる言葉。アイディア作りの厳しさを物語る言葉。しかしブレーンらの証言では、そのアイディアを「形」にしていったのは、ほとんど本人ではなかったという。やっぱり「謎」は残った。この人物は「何」を描きたかったのか。