「男の子牧場」なるネーミングセンス

 サイト名や、男性を牛や馬や羊のアイコンで登録する点に批判が殺到。「人を家畜扱いですか」「配慮が足りないのでは? 下品だと思います」「気分悪い 女の子牧場とか言われたらどう思う?」といった意見が同社の広報担当者ブログに寄せられた。
 これを受け同社は14日、サイト名について「昨今話題になっている『草食男子』というキーワードから連想し、女性がイメージしやすいようにという意図」でつけたとブログ上で説明。社内の男性社員へのリサーチを経て問題ないと判断したが、今後サイト名の変更も検討するという。

  • 本当にこの記事の通りに同社員が返答したのなら、この会社はかなり性差別に鈍感だと言わざるを得ない。そもそも「草食男子」という呼び名も、男性を面白おかしく類型化している、およそ褒められた名称ではないだろうに、それの更に「上」(いや下?)を行こうという同社のセンスはとんでもないものがある。
  • 記事内にあるように、もし男性向けサイトの名を「女の子牧場」としたら、今頃どうなっていただろう。女性差別企業として、同社は大きな社会的制裁を受けたかもしれない(それ以前に、ピンク産業だと誤解されたかもしれない)。男性をネタにするなら「牧場」も許されるのか?「社内の男性社員へのリサーチを経て問題ないと判断した」と言うが、その男性社員も、実際に自分たちが家畜のように呼ばれたらかなり不愉快なのだろうが、他人事なら話題なれば何でも良いと思ったのだろうか。ここでも鈍感な話だ。
  • 男性への性差別が鈍感な会社はおそらく女性への差別意識にも鈍感なことだろう。「婚活」ならぬ、学生たちの「就活」には、良い注意喚起になったのではないだろうか。サイバーエージェント社はそういうネーミングを疑問に感じない社風の会社なのだと分かったのだから。
  • 冗談はさておき、近年の性差別問題は、男性に対する問題も全体に敏感になりつつある。「女性を馬鹿にする表現さえしていなければ許される」という勘違いがまかり通ったのは、もはや二十年以上前の話である。いくら「女性がイメージしやすい」からといって、人間を家畜扱いしてはいけない。対象が女性であろうが、男性であろうが。

追記:自分で書いた文章を読み直して思ったのだが、「牧場」って名前は、本当に「女性がイメージしやすい」のかな?男性向けサイトで女性を「飼育」「買い物」する、などのキーワードを使えば、確実に性風俗・売買春になってしまうような気がするのだが。

*1:ワープロ誤字」を訂正。ATOK2008も文字の誤り