先日、喫茶店で

  • 午後7時40分頃、私は大阪駅前ビルのある喫茶店に入った。男性店員(チーフ格?異常にお辞儀が深い)と見習いらしき女性店員の2名。私はコーヒーのL(マグカップ)を注文した。その時店員は店の営業時間のことは何も言わなかった。コーヒーを受け取り、さっそく文章を作り始めた。ヘッドフォンで音楽を聴きながら。
  • 午後7時58分、その男性が私の顔を覗き込んできた。何だと思ったら、閉店だという。そのとき私は、この店が8時で閉店だということを思い出した。以前、7時50分頃に店に入ろうとしたら、まもなく閉店であること、同じ階に9時まで開いている同じフランチャイズの店があることなどを案内されたことがあったのだ。
  • Lサイズのカップには、まだコーヒーが7割以上残っていた。仕方なく私は、片づけをしながらそのコーヒーを飲み干そうとした。しかしまだ熱かったので思うように飲めなかった。
  • すると、店員の彼は私の動きが遅いと感じたのか、私をせかし始めた。1,2分と経たないうちにもう一度、さっきと同じような仕草で私に声をかけてきた。「お客様閉店です」。大きな声で。しかしそのとき、私はもうヘッドフォンをはずしていた。聞こえてるってば。
  • 彼は何が何でも8時までに客を出したがっているようだった。しかし、私を含め客は1、2人だったのだけれど。
  • 私は追われるように店を出た。私が店を出るとき、再び彼は深々と(柔軟体操のように)お辞儀をしていた。かくして彼は、8時で客を追い出すことを知っていながらLサイズのコーヒーを売ることに成功したのだった。
  • サービス業の常識は何なのかを私は知らない。彼の行為はサービス業として優秀だったのか、それともあり得ないことだったのか、それは分からない。私の入店時に親切に「閉店時刻が迫っている」ことを教えるよりは、営業成績の上では彼の方が上がるのだろう。だとしたら私はサービス業の仕事には向いていない。お客に深々と頭を下げておきながら、私にはこんなマネはできないからだ。