(9/21)演習2回目

  • 演習は2コマやっているが、そのうち一つは生命倫理である。学生たちの関心も高いようなので、各人の問題意識を醸成する演習にしていきたい
  • 実は私が院修了後、はじめて出版物(研究誌ではなく)に名を残したのは、生命倫理学の本(共訳)である。私は元々、大学には文学部の哲学を学ぶ学科に入り、大学院も文学研究科の哲学専攻であり、研究テーマはほぼ一貫してヘーゲルだった。もちろんヘーゲルをテーマに博士論文を書き、大学院の博士課程を修了してみて一番驚いたのは、ヘーゲル哲学の研究では「飯の種」にならない、という事実だった。「需要」はむしろ、全然別のところにあった。倫理学関係の英語の演習や、ジェンダー論、社会思想、「ディベート」の訓練、「論理的思考」のゼミなど。初級のドイツ語も教えたことがある。私は需要のままに色々な分野に手を広げてきた。純粋な語学演習は別にして、私が講義や演習で教えていることは、自分ではどこかでつながっていて、すべては「現代倫理学」という広い枠内に収まるものだと考えている。だから雑多な科目を担当していることで辛いとか、悲しいと思ったことはない。この世界は前向きな思考がなければ体と心が持たない。