津にて

  • 毎週水曜は津で講義なのだけれど、用事があってその前から津にいる。津はその名の通り太平洋側の港の近くで温暖な気候なので、大阪と気温はあまり変わらない。
  • 三重県立美術館で「大橋歩展」を見る。次々と鮮やかに変貌する女性像のキャラクターは見事で、時代の流行をとらえ、時代の流行を作ってきた大橋歩の実力を見せつけられた。VANのIVYルックのイメージデザインと、80年代のピンクハウスの「バブリー」な十数頭身のイカリ肩キャリアウーマンが同一人物から生み出されているとは、同時代に生きていなければ、にわかには信じがたい。
  • 私の勝手な妄想だろうが、臼井儀人の描いたクレしんの「みさえ」は、大橋がピンクハウスで描いた女性像の戯画化のような気がした。年代的にもあっているだろうし。
  • さて、昨日は「藤堂高虎まつり」が開かれていて三重会館周辺は賑やかだった。三重の農産品の直売も行われていたが、一番目についたのは「お茶」だった。三重は隠れた?お茶の産地だということを、私は昨日知った。試飲もしたが、高級煎茶は他のブランド茶に対抗できる美味しさがあった。あとはPR不足をどうするかだ。東に静岡という最大勢力、西に宇治茶という高級ブランドに挟まれている三重のお茶の未来やいかに。
  • 今朝、レヴィ・ストロースが亡くなったというニュースを見る。『悲しき熱帯』はたしかに名著だと思う。私も最初に読んだときは大きな衝撃を受けた。ただ、その衝撃は「あの時代にこの内容を発表できた」という「歴史性」込みの話かもしれない。すでに氏の業績は「歴史」の中に刻まれている。